芭蕉翁ゆかりの史跡めぐり
三重県伊賀市の旅

伊賀上野城


松尾芭蕉が１９歳（１６６２年）から２３歳(１６６６年）まで藤堂藩に
料理人として仕えた伊賀上野城。
この頃から、京都の北村季吟に俳諧を学ぶ。

伊賀上野城の天守閣から観た伊賀市の風景

城主藤堂高虎は城郭を拡張、特に大坂方（豊臣方）に備える為、西方には広大な高い石垣をめぐらした。 （この石垣の高さは日本一といわれている）

松尾芭蕉像 近鉄上野市駅前	松尾芭蕉縁の市街地図

松尾芭蕉の生家

生家の規模から見て、松尾家は無足人クラスの中世伊賀土豪の後裔であったことが一番有力です。松尾家は、伊賀町柘植から、 現在ある生家に移り住んだように思います。芭蕉は父松尾与左衛門と伊予国から名張へ移住してきた さる人の娘である女性との間に１６４４年に生まれた松尾家の次男。 父松尾与左衛門は藤堂良忠の手習師匠を生業としていた。※無足人とは苗字・帯刀を許される無給の武士）

生　家	実家で詠んだ句 「故郷や臍のをに泣くとしのくれ」 釣月軒（庭）の塀の前にある句碑	釣　月　軒

松尾芭蕉の足跡

上野天神社 ２９歳のとき「貝おほひ」を 奉納して江戸へ行く。		故郷塚 （菩提寺愛染院境内） 芭蕉翁の遺髪を納めている。		俳聖殿 芭蕉翁の旅姿を表す聖堂で堂の 中には伊賀焼きの芭蕉翁瞑想像 が安置されている
上野東町		上野農人町		上野公園

蓑虫庵

芭蕉翁の門弟服部土芳（どほう）の草庵で１６８８年３月庵開きの
祝いとして芭蕉翁が贈った句「蓑虫の聞きに来よ草の庵」
にちなんで名づけられました。土芳はここで芭蕉翁の遺語を
集めて「三冊子（さんぞうし）」を執筆しています。

蓑虫庵の庭にある芭蕉翁の

ゆかりの数々

古池塚（句碑） 「古池や蛙飛び込む水の音」		義仲寺を複製 芭蕉翁の納骨されている寺は、 近江栗津の湖畔にある儀仲寺。		掛け軸 庵開きに芭蕉翁が贈った句 「蓑虫の聞きに来よ草の庵」

旅の感想

松尾芭蕉に思うこと

先日、８月４日から一泊二日の旅をして、 三重県伊賀市の松尾芭蕉の生家を訪れました。 今までは、俳人松尾芭蕉とその作品「古池や蛙とびこむ水の音」しか知らなかったが、 今回の旅で松尾芭蕉の事を随分 知りました。それでは、芭蕉について今回の旅で知り得た 事を報告します。 　芭蕉は１６４４年に次男として生まれました。松尾家は無足人クラスの中世伊賀土豪の 後裔であったことが一番有力です。父松尾与左衛門は藤堂良忠の手習師匠を生業としていた。 芭蕉は 、１６６２年の１９歳のときに 伊賀上野城の城主藤堂藩に調理人として奉公する。 その頃から俳句を学ばれました。 芭蕉は最初は武士を志されましたが、無理であることがわかり 良忠が亡くなったのをきっかけに奉公をやめ、江戸深川に行き、深川の庵に移りそこで有名な 「古池や蛙飛び込む水の音」の句を作られました。 　芭蕉は故郷を後にして、亡くなるまで１４度目の帰郷だったそうです。 １４回の帰郷の中で母の墓参で帰郷したときに作った 句「古里や臍のをに泣くとしのくれ」と詠まれました。 古里に帰った芭蕉は、仏壇の引き出しから臍の緒が紙に包 まれているのを兄からみせられ、父母の慈愛の情けに涙したの です。私は学芸員から俳句の意味を聞きまして、その時私もつい もらい泣きました。というのは、私も芭蕉と同じように仏壇の引き出しから臍の緒を見つけたのです。 いつの時代も子を思う親の気持ちは同じなんだなぁ〜と感無量です。 今回の旅はこれだけでも得るものはありました。 　芭蕉の門弟（一番の愛弟子）服部土芳の蓑虫庵も訪れました。 師が土芳に贈った句「みのむしのねを聞にこよくさの庵」が あります。 土芳は、芭蕉の遺語を集め「三冊子（さんぞうし）を執筆された。 　師を思う土芳の人柄が蓑虫庵の庭で数多く見られた。その一つに江戸深川で読んだ 「古池や〜」の石碑を江戸から古里まで 持ち帰ったことと、 大坂で亡くなって芭蕉の遺言で滋賀の 近江栗津の湖畔にある儀仲寺に納骨した寺とまったく同じものを蓑虫庵の庭に作られた。 そして、松尾家の菩提寺愛染院に故郷塚を作り遺髪を納めています。 　芭蕉の古里を思う気持ちを察し、このような計らいを されたことに心打たれました。

2007年8月8日 （水）
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