山歩き旅行2024　日本３位の高峰・奥穂高岳(3190m)

タッチ、大学３年（１９７５年）の４９年前に奥穂高岳から槍ヶ岳までの
縦走においてスタート地点である奥穂高岳までの足跡を訪ねてみました。

８月１６日（金）～１８日（日）

写真は、涸沢小屋と奥穂高＆涸沢岳の山頂が見えます。

北アルプス奥穂高岳登山にて涸沢で断念　
登る山から見る山（涸沢から）に変更しました。

神戸新聞旅行　
山歩き旅行2024　日本第３位の高峰・奥穂高岳

出発日：2024年８月１６日（金）～１８日（日）

日時	＜スケジュール＞　＝＝バス　、・・・徒歩
８月１６日	姫路6：30＝＝上高地バスターミナル（1500ｍ）14：00 ・・・明神・・・横尾山荘（1620ｍ）17：00【泊】 ■歩行距離/約9.8ｋｍ　■歩行時間/約３時間　■標高差/約1370ｍ
８月１７日	横尾山荘5：00・・・本谷橋・・・涸沢小屋2350ｍ・・・穂高岳山荘（2990ｍ）16：30【泊】 ■歩行距離/約7ｋｍ歩行時間/約８時間半■標高差1370ｍ
８月１８日	穂高岳山荘・・・奥穂高岳（3190ｍ）・・・涸沢小屋・・・横尾山荘・・・上高地バスターミナル＝＝ひらゆの森（入浴）＝＝姫路１０時半 ■歩行距離/約18ｋｍ歩行時間/約１０時間■標高差/約1690ｍ
備考	歩行距離：34800ｍ　類型標高：1682ｍ　歩行時間：１日目3：00　２日目8：30　３日目10：50

　大学３年の夏休み前に同じ大学の友人の下宿を訪れた。そこで今年の夏休みは、どの様に過ごすのかと尋ねたところ
友人は、北アルプスの涸沢ヒュッテでアルバイトをするとのことで、バイトの内容は強力さん（山小屋まで荷物を運ぶ）を
するんだと言っていました。横尾登山口からバイト先の涸沢ヒュッテまで１日に何回か荷物を運ぶ仕事らしいです。休暇は、
好きな登山をするそうです。友人の部屋には冬山の奥穂岳・北穂岳の写真がいっぱい貼られ、アイゼンを履きピッケルを持った
友人の姿がかっこよく映り、充実した大学生活を送っているんだなぁ～と羨まししく思いました。
　自分も大学生活しか出来ない思い出を作りたく、登山をしたいと友人にに申し入れた。友人から、バイト先の涸沢ヒュッテに
来いよと言われ、私も登山をすることにした。ザックは、余りがあるから譲り受け後は登山靴や雨具等必要なものを教えてもらい
揃えることにした。登山計画では、上高地から登山口（横尾）を通過し涸沢ヒュッテを目指す。涸沢ヒュッテから、奥穂高岳に登頂し
槍ヶ岳までの縦走を勧められた。上高地までは、時刻表で調べ自宅からザックを背負って大阪駅夜行で急行ちくま（平成10年廃止）に
乗車し松本駅を下車し松本駅から、松本電鉄に乗り換えて新島々で下車をして、バス停から上高地行きに乗車し上高地に到着したのは、
午前１０時頃だったと思う。夜行列車では睡眠がとれることなく上高地から涸沢ヒュッテまでよく行けたなぁ～と感心しています。
　全て、自分で登山の用意と計画をしなければならなくて、頼る人もいない単独登山の開始である。若さは無限の力があることも今、ヒシヒシ
と感じています。

上高地から横尾（登山口）までの記録
＜ハイキング＞

８月１６日　上高地出発14：20

大正池

上高地バスターミナル	河童橋＆タッチ

河童橋

梓川＆雲に隠れた穂高連峰

梓川下流域で焼岳が見えます

	上高地の湿地帯です。風光明媚な上高地は、登山だけではなくハイキングやキャンプも素晴らしい所です。
上高地から横尾山荘に向かって進んでいます。

	４９年前は、この様な立派な橋ではなかったです。
橋の向こうには明神岳（2931ｍ）が見えます。麓には、穂高神社（奥宮）と明神池があります。

明神岳（穂高岳）

二
二
六
三
峰

最
南
峰

第
四
峰

主
峰

東
稜

長
七
ノ
頭

⛩穂高神社
愛称、尊称としてすべてを明神岳と呼ぶ

　穂高神社本宮は、長野県安曇野市穂高にあり、奥宮は上高地の明神岳直下の明神池湖畔に
奥宮があり祀られています。また領宮は、奥穂高山頂に祀られています。
日本は古来から山岳宗教で高い所に神が宿ると信じています。上高地の明神岳が一番高い山と
信じていましたが、大正に入り明神岳より高い山（奥穂高岳）が存在す事がわかり
明神岳にあった領宮を奥穂高岳に移したのです。

	←徳沢・横尾進行方向 →河童橋・明神方面 ➘（右折）徳本峠・島島谷方面
梓川岸辺のハイキングコースを進んでいます。雲のない晴れた日には蝶ヶ岳が見えるんだそうです。

　現在の上高地への入山ルートができる以前は、島々宿から島々谷南沢を経て、海抜約2100mの徳本峠を越える道が上高地への主な登山道であった。
　従って、古来より・島々谷方面から徳本峠を
通過し穂高神社奥宮に参詣しました。
　この辺りは牧場地帯で、人々も徳本峠を通過し
て行き来があったようです。
　また、明神岳（穂高岳）を基準に明神岳の前にある
のが前穂高であり、前穂高の奥にあるのが
奥穂高岳で、明神岳より、西側にある西穂高岳、
北にあるのが北穂高岳であることが分かった。
　全て、明神岳を基準に穂高岳の名前が付けられた
ように思います。

横尾到着17:34（歩行距離9.8ｋｍ）

８月１７日
　横尾山荘から涸沢小屋に向かって出発
５：００スタート

横尾大橋からスタート	屏風岩（左側）と北穂高岳（中央）

←涸沢　　横尾→	本谷橋

本谷橋を通過し、梓川支流の渓流の岸辺で２度目の休憩。
この登山隊のリダーが、私の表情を観察し異変を感じたようです。異常な汗に熱中症の心配をされていたようでした。水は１リットル横尾登山口から涸沢小屋までです。それと、塩分を含む飴（熱中症対策）を準備しています。ここからが、本格的な登りに入ります。そして、涸沢小屋からヘルメットをかぶり、難関のザイテングラードを通過して穂高山荘へと向かいます。もう少し頑張っ進みましたが、数年前に常念岳の事（熱中症初期により倒れ歩行困難）を思いうかんだ。まだ余力がありますが、結果は同じである。３度目の休憩の時、迷惑は掛けられないので思い切ってリーダーに登山のリタイヤを申し出をしました。リーダーもこの人ダメだと感じてたようで、早めの決断助かりましたの事。　早々、涸沢小屋の予約を取り私は、奥穂高登頂を断念し涸沢小屋で待機することになりました。登山隊は、すぐにペースを上げ淡々と進んでいき、私は遅れながらも、登山ガイドが１人就いて下さり安心して、涸沢小屋までゆっくりと進みました。横尾谷から涸沢までの登山道の景色が素晴らしく、登る山から見る山に変更しました。
横尾谷	奥穂高岳（写真左）＆涸沢岳（写真右）

　４９年前、上高地から午前１０：00頃にスタートし、涸沢ヒュッテに到着したのは午後５：00頃だったと思います。
涸沢ヒュッテで、大学時代の友人と予定時刻通り再会し、友人は私の母親から涸沢ヒュッテに連絡があり、無事到着したと報告したとのこと。
私は、かなり疲れていたので夕食もそこそこで、すぐに就寝しました。翌朝、台風の影響で、風雨強く少し心配になりました。
朝食も済ませ出発の準備をし友人は、涸沢ヒュッテの玄関前の道標（奥穂高岳）まで案内してくれ、他の登山者が隊列を組んで
いる後をついていけば穂高岳山荘に行けるとアドバイスしてくれた。今日と違って４９年前は、単独登山・登山隊等で途切れることなく列が続いて
いました。単独登山でも皆で一緒に穂高岳山荘に向かって進んで行くので不安はなかった。奥穂高岳山荘までに最も難関な
ザイテングラードを通過しなければならないが、多くの登山者が落石に注意しろよ！、浮石があるから転倒しないように
気をつけろよ・・・等声を掛けあい励ましあって無事穂高岳山荘に到着した。台風の影響で風雨強く転倒すれば大変な事故になるのは明白である。
　やれやれ、荷物を置いて大広間で休んでいたところ、汗が冷え疲労も重なり小刻みな震えと寒さそして顔色が悪い私に、隣にいた登山者が心配し、
ストーブのある図書室を案内してくれ、暖を取り生き返りました。今でいう低体温症の初期症状だったんですね。
体調も良くなり、今夜まで時間が十分にあるので、穂高岳山荘内の図書室で山岳関係の本を読んでいた時に、登山者の一人が穂高岳山荘から、奥穂高岳山頂まで
すぐですよと教えてもらいました。弱いながらの風雨も相変わらずあり、ガスで周囲の景観は見通しが悪かったのですが、一人で奥穂高岳登頂に挑戦することにした。
山荘からいきなり絶壁で数か所のはしごも登り切り、岩面に描いてある白丸の通りに進んだ所、山頂付近で一人の登山者に遭遇し、穂高岳山荘はどこですか？と尋ねてきました。
私は驚き、何処から来られたのですか？と尋ねると、今朝早朝に上高地に到着し「（河童橋）登山口→岳沢→前穂高岳→吊尾根→奥穂高岳」のルートでの
奥穂高岳山頂を目指したのには私はビックリしました。こんな天候の悪い中考えられないと思いました。超ベテランの登山家でしたね。
　登頂はまだだったので、一緒に登頂しました。とはいっても、ぐるりの景色はガスで風景はまったくわかりません。山頂にある穂高岳神社の領宮
を確認し登頂したことにしました。後は一緒に穂高岳山荘に戻ることにしました。そして、山荘で明日、奥穂高岳から槍ヶ岳の縦走の予定がお互い同じだったので
２人で奥穂高岳から日本屈指の難所大キレットを通過し槍ヶ岳に挑戦しることにしました。幸い翌朝は台風通過後の雲一つない素晴らしい天気でした。
　走馬灯のように当時を思い浮かべましたが、もし奥穂高岳山頂付近で出会いがなければ、その登山者はどうなっていたのでしょう。遭難すれば、低体温症により
生命の危機になります。そして、一人ではこの奥穂高岳から槍ヶ岳の縦走もどうなっていたか分かりません。偶然の出会いが今回の登山の成功だったのです。
学生時代の大冒険です。私も、博打的なかなり危険な登山でした。

無事登山口に到着しました。
明神橋にて、背後は屏風岩

　今回の山旅（北アルプス・奥穂高）は、
難易度が高くて、相当な訓練が必要で、
体力勝負の登山です。私はこの時点で、
アウトです。それと、浮石・落石が
多い岩山で、疲労により、足元が
しっかりしていないと転倒の危険もあり、
場合によっては重大事故につながります。
　今回は、涸沢で登頂を諦めたのが
正解でした。しかし下山においても
昨日の疲労も回復していませんので
気を抜くのはまだ早々です。
登山ガイドさんが
寄り添って下さり注意深いサポート
より無事下山が出来ました。

これより、上高地で迎えのバス停まで
10ｋｍ近くあります。
もう少し頑張っていこうと思います。

写真右から、吊尾根・前穂高岳北尾根と続く	雲に隠れた奥穂高岳山頂

涸沢ヒュッテ＆カラフルなテント	屏風岩（屏風ノコル・屏風ノ耳・屏風の頭）

雲一つない奥穂高岳	テント場からズームで穂高岳山荘を撮ってみました。

吊尾根・前穂高岳北尾根と続きます。	涸沢ヒュッテよりテラスから涸沢小屋を前に北穂高岳（写真中央）を撮影

涸沢ヒュッテ前にて、写真中央は涸沢岳（3110ｍ）	４９年前、タッチ大学３年の時に涸沢ヒュッテから、この道標に従って奥穂高岳を目指した。

テント場から奥穂高岳（写真左）と涸沢岳（3110ｍ）写真中央	涸沢カールとテント場から奥穂全景と涸沢岳が見えます。

テント場から涸沢岳（左側）と北穂高岳（写真中央）を撮影	東大涸沢診療所後方は奥穂高岳＆涸沢岳

涸沢カールは目の前に奥穂高岳と涸沢岳（3110ｍ）山頂が見えます。	吊尾根と前穂高岳（3090ｍ）残雪が残る涸沢カール。

吊尾根と前穂高岳がはっきりと見えました。	早朝に奥穂高岳に登頂した仲間達と合流予定で、待っているタッチ。

涸沢から上高地までの下山のサポートをして下さった登山ガイドさん。	無事に、スタート地点に戻りました。